銀河英雄物語

12月24日、午前0時をまわりました。祝日の今日、皆様いかがお過ごしですか?こんにちは、すっぽこゲーム造りマンの田中です。気分はメリークリスマスですねえ。おいしいケーキのとなりには発売日に買った「ゲキトツ!」が置いてありますか?あ、もしかしてサンタさん待ちだったりします?そういう人は今日中にお伝えくださいね。サンタさんにもゲームを買いに行く時間をあたえてあげてください。

 

中には、もうクリアしたっていう猛者もいるのかなあ。ラストシーンのアレ、すごかったでしょう?まさかラーレンがあんなことするなんて!ジーナも思わず頬を赤らめてしまう胸キュンな展開もあったりして。ドキドキしますなあ。ウッヒョ~!

…と、このウソくさいトークがどこまでホントかはゲームで確かめていただくとして。今日は、こういった「ゲームの物語」がどうやって作られてゆくのか、をお話ししてみますね。


<ゲームの物語の作り方>

ゲームの物語造りは、小説とか、映画やドラマの脚本とかとはたぶん違います。僕は映画脚本を書いたことがないので、そのへんの詳しい説明はジョージ・ルーカスさんとかに聞いていただくとして。映画や小説が、観客は見ているだけなのに対し、ゲームはユーザーの操作『意図』が介入する遊びだというところが、大きな違いだと思っています。

例えば、映画の場合、強敵を目の前にしたカッコいい主人公は、カッコいい演技をしますよね。でもゲームだと、その強敵を前に何をするのかはユーザーまかせなので、とりあえずアイテム整理をしたり、逃げたり、無謀な戦いをして負けたり、するわけです。

プレイヤーが操作するので、どうなるかわかんない、てことが前提ですな。皆さん様々なシチュエーションでいろんな行動を楽しんでくれて、それは大いに結構なんですけど、プレイヤーがどんな行動をしようがつじつまが合うようにお話を考えるのは、じつは大変なのですよ。ちょっとは労わってください。オレを。

 


<5分でわかる、ゲキトツ!の造り方>

で、そういうつじつまを考慮しつつ、物語を構想してゆくわけですが。

ゲキトツ!の場合は、物語の大きな流れをいくつかのブロックに分けて、そのブロックをつないでいく形で物語をつくってゆきます。

開発チームではそれぞれのお話のブロックを「影のジャドウ編」とか、「炎のゲルベルス編」とかサブタイトルをつけて、区分をしていました。なお、サブタイトルはゲーム中には登場しません。このブログを読んでくれてる人だけにこっそり教える秘密です。ミンナニハ、ナイショダヨ。

で、その物語が、近所のオジさんの家に回覧板を届けにゆく、みたいな内容では困るわけで、相応にヒロイックで、壮大で、SF的な内容が求められるワケです。僕の場合、放っておくと無限に壮大にしてしまうので、壮大になりすぎないようなコントロールも必要だったはずです。僕ではなくまわりのみんなが。いやはや、すまんすまん。

 


<物語的迷惑>

やがて出来あがったストーリーブロック。そこに、誰が、どこで、何をする、といったような、より詳しい内容を書き込んでゆきます。僕らはこれをストーリープロットと呼んでいます。

僕の造るストーリープロットには、後先考えてない設定が無数に書いてあります。「パトロールビークルが惑星に突っ込んで大爆発します」とか、「無数に出現したクロール軍団を派手に演出しといてください」とか、そういう演出注文が、気軽に書いてあるのです。

でもね。惑星大爆発をどうやって映像化するのか、とか、無数のクロール軍団をフィールドに表示する方法とか、そういうのは一切書いてないのです。この指示書をもらった開発スタッフの困惑ぶりったらないですよね。で、質問されます。これ、どうするんですか?と。わたくしは静かににこやかに「どうしていいやら全然思いつかないのだ」と答えるのです。「先に考えとけーーーーー!!」と雄たけびをあげる開発スタッフ。こんなほがらかな雰囲気の中、「ゲキトツ!」は造られているのです。素敵ですね。

僕の準備した迷惑指示書は多岐にわたるのですが、それらは全て、不思議なくらい実現しました。彼らの努力のたまものです。「へええ、うまいこと演出したなあ」と他人事のように感想を述べると「どんだけ苦労したと思っとるんじゃー!」と慈愛に満ちた返答が。僕はいつか背後から狙われる気がしてなりません。

ゲームの物語って、ストーリーや設定を考える僕一人で造るものでは決してなく、演出を創出してくれた多くのスタッフに支えられて、はじめて出来上がるものなのです。みんなほんとうにありがとう。次はもっとヘンなの考えるから、覚悟しといてね。


<物語の進行は造り手とプレイヤーの二人三脚>

物語進行をする上で、プレイヤーにも協力をお願いするのが、ゲーム独特のスタイルです。物語を進めるのに、延々と経験値稼ぎをしたり、操作上達の練習をしたり。映画でこんなことしてたら、続きなんて面倒くさくて見てくれませんよね?でも、それをするのがゲームです。物語を進めるためには、あなたの努力が必要。だから、ゲームをクリアした、という人には、物語を見てくれてありがとう、ではなく、「遊んでくれてありがとう!」という気持ちになるのです。

本作を早速プレイしてくれた皆さん、ゲームを遊んでくれてありがとう!そして最後にあなたにも。今日もブログを読んでくれてありがとうね。

 


次回のお題は、『ゲキトツのボスバトル』。そう、ボスバトル。ボスなんです。

前回、第2回のブログを書き上げた後、このブログの担当のPR森さんから連絡がありました。「ボスのお話って、第4回のお題なんですけど…」え、うそ、そんな予定でしたっけ!?うわ、忘れてた、ギャース!

うっかり、第2回に第4回の内容を書いてしまったわたくし。でも掲載されてしまったからにはもう後には引けないのだ!さあどうするオレ、逃げるなら今だ!

そんなワケで次回のお題をあらためて、『ゲキトツのボスバトルの話題をすでに書いてしまったのにどうするんだ編』にご期待ください。

それでは、また来年!よいお年を~。